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SCGRのWebサイトには、最新の情勢を追いかけリサーチ活動をしているSCGRアナリストによるショートレポートが掲載されています。執筆者本人からではなく、他のアナリストによる視点を交え、ここに改めてレポートをご紹介します。 -------------------------------------------------------------------
レポート紹介~中東で今、何が起きているのか~
中東情勢が2023年10月以降、緊迫化してきた中、その行方がますます注目されています。「中東フラッシュレポート」は、中東地域で「今、何が起きているか」をお伝えしています。
例えば、5月後半号では、イスラエルとイスラム主義組織ハマスの停戦に向けて、5月末にバイデン大統領が停戦案を発表したものの、双方の意見は対立したままと言えます。また、国際司法裁判所(ICJ)がガザ最南部ラファハに対する攻撃の即時停止、ラファハ検問所の開放などを含めた暫定措置命令を出したり、国際刑事裁判所(ICC)の検察官が双方に逮捕状を請求したりするなど、国際社会も動いているとはいえ、先行き不透明感は払しょくされていません。
その一方で、スペインやノルウェー、アイルランドが5月下旬、パレスチナを正式に国家承認しました。これを契機に、欧州諸国の間で国家承認が広がる可能性もあります。現状、米国等の一部の国の未承認があるものの、すでに140か国以上がパレスチナを国家承認していることから、世界的な大きな動きとは言えないものの、中東情勢を巡って国際社会の姿勢は変化しています。
中国の動きにも注目
また、中東地域において、中国の動きも注目されます。中国・アラブ諸国協力フォーラムが5月末に開催されました。2023年3月のサウジアラビアとイランの国交正常化において、中国が仲介役となるなど、政治的な面でも存在感を高めています。政治・経済の両面で、中国が中東地域でどのような役割を果たすのか、ビジネスの上でも重要度が増しています。
このように、イランやイラク、リビアなども含めて中東地域は日々変化しています。ビジネス活動を継続する上で、地域の政治・経済情勢を適時に把握することがますます重要になっています。(経済部M.S.)
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筆者:広瀬 真司